「精神的なものではないですか?」
アレルギー科の医師にそう言われた時、正直、腹が立った。検査してくれという自分の症状を聞いた医師が放った言葉だ。
「アレルギー症状は、皮膚に出てくるので頭痛とか腹痛は関係ないですね。」とも
IgE値はやや高い。小麦を2週間絶ったら体調が劇的に改善した。それなのに「異常なし」「精神的なもの」で片付けられた。
この経験から私が学んだのは、「医学的に解明されていないことはまだ多い」という事実だ。
今回は、私自身の体験をもとに、小麦アレルギーとグルテン不耐症の違いについて調べてみた。
■ 小麦アレルギーとは
小麦アレルギーは、小麦に含まれるたんぱく質を「異物」として免疫系が過剰反応する状態だ。
症状は人によって大きく異なる。
【皮膚症状】
じんましん、かゆみ、肌荒れ、アトピー性皮膚炎
【消化器症状】
腹痛、下痢、嘔吐、膨満感
【呼吸器症状】
くしゃみ、鼻水、喘息、呼吸困難
【重篤な症状】
アナフィラキシーショック(血圧低下、意識消失)
特徴的なのは「即時型」が多いことだ。食べてから数分〜1時間以内に症状が出る。
また「小麦依存性運動誘発アナフィラキシー」という特殊なタイプもある。小麦を食べた後に運動することで症状が現れるもので、成人の小麦アレルギーの多くがこのタイプだという報告もある。
血液検査(特異的IgE検査)で調べることができるが、確定診断には実際に食べて反応を見る「食物経口負荷試験」が必要だ。
重要なのは、同じ「小麦アレルギー」でも、どのたんぱく質に反応するかが人によって異なるという点だ。
■ グルテン不耐症(NCGS)とは
グルテン不耐症は正式には「非セリアック性グルテン過敏症(NCGS)」と呼ばれる。
アレルギーでも自己免疫疾患でもない。しかしグルテンを含む食品を食べると、様々な症状が現れる状態だ。
【消化器症状】
腹痛、下痢、膨満感、吐き気、逆流性食道炎
【全身症状】
慢性疲労、体のだるさ、関節痛
【神経・精神症状】
頭痛、手足のしびれ、気分の落ち込み、不安感
【その他】
肌荒れ、ニキビ、貧血
小麦アレルギーとの大きな違いは、症状が「じわじわ」と慢性的に現れることだ。食べてすぐではなく、なんとなく体調が悪い状態が続く形で現れることが多い。
そして最も重要な点がある。
現時点では、診断基準が確立されていない。検査方法もない(らしい)。
つまり、症状があっても「異常なし」と診断されることが十分あり得るのだ。
■ 私の場合は何だったのか
アレルギー科でIgE値がやや高いと言われた。しかし「アレルギーとは診断できない」とも言われた。
今思えば、私の場合はグルテン不耐症(NCGS)に近い状態だったのかもしれない。
即時型の症状(じんましんや呼吸困難)はなかった。あったのは長年の慢性的な腹部の不調(週の半分以上は下痢、一日に何度も大便に行く、急に腹痛に襲われる)、疲れやすさ、頭痛、慢性副鼻腔炎、口内炎、肌のかゆみ、ニキビ(顔、背中は特に酷かった)だった。
NCGSの症状に一致するものもあれば、そうは取れないものもある。しかし、これらは小麦粉を絶った今、ほぼ皆無である。すこぶる調子がいい。
小麦は食べられる。小麦製品が美味しいのは十分知っている。だから、小麦を絶った後も、たまに魔が刺して食べてしまうことがあった。
その度に、後悔した。無くなっていた症状が再発するのである。最低2日は続く、、、。
「精神的なもの」と言われたのは腹が立ったが、今となれば医師が悪いわけではない。まだ医学的に解明されていない領域だからだ。とは思うが、「あの上から目線の態度」は思い出すと腹が立つから二度とNクリニックには行くまいと思っている。
ただ、一つ言えることがある。
「体が教えてくれることを信じろ」ということだ。体の症状を細かく観察し、体から発せられるシグナルを見逃さないことが肝心である。
検査で異常がなくても、2週間小麦を絶って劇的に体調が良くなったという事実は、何より雄弁だ。
■ 気になる方へ
即時型の症状(じんましん、呼吸困難など)が出る場合は、すぐに医療機関へ。
慢性的な不調(疲れ、腹痛、肌荒れ)が続く場合は、まず2週間の小麦除去を試してみてほしい。
検査で「異常なし」と言われても、体の声を信じることが大切だ。私がそうだったように、劇的に体調が変わる人がいるかもしれない。



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